昔の人はこのような項目を書く必要は無かったと思うとうらやましい限りです。しかし現実がある以上触れない訳にもいかないでしょう。
常識的に言えば電子楽器より本物のピアノが望ましいのは言うまでもない。同じ鍵盤があっても電子楽器のそれはスイッチですから、いくら精巧に作られていても手触り一つとってもずいぶん違うものです。
でもまるで練習にならないかと言えばそうとも限らない。遥かに大切なのは毎日少しずつでも練習することでしょう。その習慣をつけずに楽器を考えるのはどうも本末転倒に感じます。
ひとつ言えるのは電子楽器の方が安価だというのはおそらく違うだろうということ。
楽器といっても電化製品です。他の機器同様に耐用年数があり、故障もする。
かたや中古のピアノならば探せば安価に見つかります。故障は通常はしません。経済的理由でピアノの購入をためらう人はその点も考慮した方が良いでしょう。
近隣との関係などで音を出せる時間が限られる場合、せめて電子楽器でと思う人もいるでしょう。そういう人には、ひとつ紙鍵盤でも使ってみたらどうかと提案します。
例えば指使いを直したりする場合、膝の上で(つまり鍵盤無しで)動かしてみるのがとても有効です。
それならば通常の練習にも似たことが言えないだろうか、と私は考えています。