これもよくインターネットの掲示板や巷で耳にするので、念のために書いておきます。

 

そんなものは都市伝説の類です。現に私の生徒は東京圏すべての学校に行っていますが、だれも大学の教授につきながら受験した人はいません。

 

もちろん習いたい先生がいたら受験前からでも習うことです。当たり前ですが、ピアノなどは誰にどう習ったか、が決定的だと言えます。

 

大ソプラノだったエリーザベト・シュヴァルツコップは最初、有名な女性歌手に師事し、声の質はアルトだと言われて、アルト歌手になるべく練習したそうです。

 

伸び悩んでいると、母親が(素人です)あなたの声には合っていない、と言い、その助言をきいて他の歌手に師事し直したところ、適した声は高いソプラノだと指摘され、それが大ソプラノへの道だった。ご本人がよくそのエピソードを語っていました。

 

こうした例を見るまでもなく、教師を選ぶことはたいへん大切です。その上で、納得がいかなければ代える勇気も必要になってきます。噂ばかり拾い集めて右往左往するのはじっさい良くありません。

 

ピアノはあらゆる楽器の中でほとんど例外的と言ってよいくらい、後々までテクニックが付くのです。

 

しかし、人間の心の骨格を形成するのに一番大切な中学、高校時代を、どのような音楽環境の下に過ごすか、を考えると、噂に翻弄される態度はもっとも避けるべき態度だろうと思われます。

 

このホームページにこんな馬鹿げたことを書きたくなかったのですが、あまりに頻繁に耳にするので書き留めておきます。