ここで厳密に心について書くつもりはありません。そんな大それたことを試みることは不可能でしょう。ただ、私たちが日ごろ親しんでいる事柄を思い出していただこうというわけです。

 

大きな喜び、深い悲しみや怒り、日常経験する様々な感情について、その時々の体の状態をちょっと観察してみましょう。体は一種の重さとでもいうべき「もの」に満たされています。嬉しい、悲しいと感じているのは私たちの頭であり、体自体はその差を表してはいません。

 

体からその重さが消失した感情ももちろんあります。いわゆる力が抜けた、といった心理状態ですね。もうどうでもいいや、とかああ疲れた、とかいくらでもある。

 

しかしピアノの演奏にあたってはそちらを考慮する必要は無い。これは誰でもすぐに納得出来ますね。