良いホールの条件は言葉で表せば簡単です。

1・気持ちよく響くこと。

2・演奏者が何をしているかがよく聴き取れること。

 

以上です。

 

私の知る限り、両方を満たすホールは非常に少ない。ただし次々に新しいホールが出来ているので、何処かに良いホールがあるのかも知れません。

神奈川県立音楽堂、東京文化会館大・小ホール、津田ホール、古賀政夫記念館、横浜市・みどりアートパーク。

これで全部です。あとは主として2が欠けます。例えば有名なサントリーホールは(小ホールは論外です)音の輪郭がまったく聴こえず、その結果音の切れ際が物を言えない。本当に優秀な演奏家には損な会場です。


紀尾井ホールも一見上質なホールのようですが、どう言えば良いか、響きを無理に「上質に」仕立てている。そう私は判断しています。

 

だれでもきれいなロビーや周辺施設が充実していた方が良いに決まっています。でも演奏者の良し悪しが判別できにくいのでは何のためのホールだか分かりません。

ただしもう少し丁寧に言う必要があります。例えば王子ホールはピアノにはまったく適していませんが、弦楽器、管楽器には悪くないようです。

オペラハウスでは言葉が聞き取れないといけないので、残響が短いのですが、そこでのオーケストラ作品の演奏会になると何とも味気ない。オペラの中でのオーケストラにはそんな気はしないにもかかわらず、です。

上記のホールでは神奈川県立音楽堂が秀逸ですが、オーケストラにはちょっと手狭だと感じざるを得ないです。

そのように、きめ細かな評価が必要になるのです。

 

上記のうち大ホールは平土間は除きます。そこは主に社交の席で、聴くための席ではありません。