音階とアルペッジォがすべての基礎だとはしばしば語られます。それには私も異を唱えません。

 

まず親指をくぐらせることを除いて観察します。

 

親指からの動きは、親指の柔軟性で示した所の延長だと見なすことができます。親指から掬うような動きです。その際上下に動かぬように。上から見たら前後へ動くように見えるはずです。

 

例は3音、4音、5音をゆっくりと示しています。腕の前後への動きは少し誇張しています。テンポが上がれば当然ながらその動きの量は小さくなります。

 

下降形では基本的に親指へ向かって弧を描く感じです。ここでも分かり易く少しだけオーバーに動かしてあります。

 

 

具体的に練習方法を紹介しましょう。

まず2,3指あるいは2,3,4指を保持して手を柔らかく保ちながら親指を潜らせます。これは主に保持した指の柔軟さを得る目的です。(3本保持するのが困難な人は2を外しても一向に構いません。私の手には少し無理があります)

 

次には親指を保持してその上下の音を弾きます。親指が柔らかに保たれることが必須です。これはブラームスの練習曲と全く同じであることはお分かりでしょう。