この項は前項からの続きですが、まず指導する方への注意点を言っておきたい。

 

時折、なるべく鍵盤の手前を弾くように、と教わる人がいるようですが、これは良くないです。生徒が真面目であれば危険ですらある。

 

なぜ手前を弾くようにいわれるのか、おそらくは奥を弾くと窮屈そうに見える、あるいはテコの原理で手前の方がより小さな力で済む、そんな理由ではないかと推察します。

 

しかし黒鍵が白鍵より短い訳ですし、指の長さは一定ではないですし、親指は付き方も動く方向も違います。鍵盤の奥行を使うことにより手の動きが直線から曲線に変わる「きっかけ」が出来ます。

 

前項で8の字を書くような動きと言いました。それも鍵盤の奥行きを使うことが前提になっています。