ピアノを弾く場合の支えとは主として腕の「高さ」を保つことだと述べたのを思い出して下さい。

 
それを可能にしているのは肩、背中の筋肉です。筋肉や骨の名称など、正確な知識は必要ありません。腕を持ち上げることは誰でもできるわけですから。
 
(知識はあっても良い。しかし詳細な医学的知識を列挙されて目からウロコとなるのでは、やはりまずいのです)
 
「高さを保つ」ことが出来ていなければどうなるでしょうか?
 
コップの縁を適当な棒で叩いて良い音を得ようとしてみましょう。手元にあるならばトライアングルでも良いです。
 
打楽器の基本的な動作は「逃げる」動きだと説明しましたね。これは腕全体を、打った瞬間に引き上げる動きです。
 
昨今のピアノの教えで盛んに強調されるように、肩を完全に脱力して叩いたらトライアングルは鳴ると思いますか?仮に肩の力が抜けていたとしたら、音がよく鳴った時には必ず下膊に力が入っていることに気がつくはずです。
 
つまり完全な脱力というのは単なる空想に近いと言った方がよいのです。